2015年3月13日金曜日

The Isley Brothers ‎– Testify


The Isley Brothers ‎– Testify
Label: T-Neck ‎– 45-501  
Country: US 
Released: 1964

Track list
A Testify (Part I) 2:53
B Testify (Part II) 3:06


T-NeckはThe Isley Brothersのメンバーによって発足された言わばミュージシャンのミュージシャンによるレーベルの先駆けのようなもの。レーベルのカタログは45-501、この1枚から始まる訳ですが、このレコードはもう1つの"お初"を含んでいる記念すべき1枚でもあります。現在分かっている記録の中だと、伝説のギタリスト"Jimi Hendrix"の最初の録音がここに吹き込まれている様です!

ジミヘンと言えば陸軍除隊後〜66年にAnimalsのベーシストであり豪腕プロデューサーのChas Chandlerに見出されあれよあれよとPolydollから「Hey Joe」でソロデビューする間に、Little RichardやIke & Tina TurnerなどR&Bバンドのセッションマンとして活動していたというのは有名な話ですが、それらのセッションワークへと繋がる記念碑的な1枚のようです。あいや、お金的な価値は無くとも、こんなギタリスト心をくすぐる盤をいとも簡単に手に入ってしまうとは!

と言うところで針を落としてみるとオルガンのリフが1小節鳴った後に聴こえるギターの音色は「おー!確かにジミヘンの音だ!」と。ブルース、ペンタトニックを基調としながらも独特な音選びや、弦がちょっぴり緩くて(この頃から半音下げor1音下げかなあ。それか凡人には想像もつかない握力マッチョか)Albert Kingを早回ししたかのようなベンドのニュアンスなんかは、「Red House」なんかで何度も耳にしたあの感じあります!そして音がでかい!楽曲はブルースを基に3コードじゃないちょっとストレンジな音が聴こえるという、まあ、あの時代R&Bですが、回転数間違えたんじゃないかってくらいとにかく早い!アッパー!!!途中ギターソロもフィーチャーされてたりでアイズレーの面々からも一目置かれていたのも想像出来ます。

Isleyバンドからセッションマンとしてのキャリアをスタートさせ、その後いくつものセッションワークで引っ張りだこになる訳ですが、スタジオミュージシャン期の終わりの方でKing Curtisバンドに加入します。ここでCornell Dupreeとツインギター体制でボスを支える(結局ジミの音がデカ過ぎて、すぐ首になる!)バンドメイトになる訳ですが、レアグルブームが全国的にキテた(はず!)6.7年前に大のDupreeフリークだった時期があって、片っ端から可能な限りインタビューを読み漁ったのですが、そこでジミについて印象深い事を言っていたのを記憶の片隅からふと思い出しました。King Curtisバンドの時は隙間は全部ジミが弾くからオレはバッキングしか出来なかったとか、とあるギグでChuck Berryのバックを務めた時は完全にChuckよりジミが目立ってたとか、ジミはストラトじゃなくてギルドを弾いていたときの方がユニークなプレイをしていたなどなど...面白い話がたくさんあったのですが、お互いにブルースが根っこにあるギタリストとして意気投合して語り合ったとかそんな話。ジミはベンドの手本にエレクトリックなモダンブルースにももちろん影響されたけれど、好きなブルースマンはElmore Jamesからデルタのフォークブルースの人たちを挙げていたといいます。
そういえば小学生の時に観たジミの記録映画。冒頭で12弦のアコースティックギター片手にブルースを弾き語るシーンが今でもすごく印象に残っています。それまでのイメージとして持っていたJimi Hendrix像を覆されたとかそういう事でもなくて、ただただそこで奏でられたブルースがとても不思議に聴こえたけれどとても自然なものに聴こえました。Band Of Gypsysdでの「Machine Gun」のイントロ〜リフも聴きようによってはBukka WhiteやSon Houseのデルタ的な感覚を感じます。幽玄さということであればBlind Willie Johnsonなんかも。


...なんも考えず自動筆記状態で書いてたらアイズレーの事ほとんど触れてないなあ、と思いつつお眠なのでこの辺でお休みなさい...

もしジミのセッションワークに興味ある方は、このサイトすごく良くまとまってて良い暇つぶしななるのでどうぞ!64年にIsley Brothersのバックバンドとして、Zombiesと対バンしてるとかそれだけで胸あつ↓
http://www.earlyhendrix.com/timeline-menu



岡田

2014年12月26日金曜日

年間ベスト廃盤レコード2014(その2)

 今年買って気に入った盤をこうやって無造作に並べてみて、一見脈絡ないようですが、やっぱり引っかかりがあるものは点や線で繋がるものだなあと思ってみたり。


Sonny Sharrock ‎– Monkey-Pockie-Boo 
Label: BYG Records 529.337
Country: France 
Released: 1970


Steve Tibbetts ‎– Northern Song
Label: ECM 1218, 2301 218
Country: Germany
Released: 1982


Various ‎– RRR 500
Label: RRR-500
Country: US
Released: 1998


Organum ‎– Sphyx
Label: Aeroplane AR14  
Country: UK
Released: 1994


Andrea Centazzo, LaDonna Smith, Davey Williams ‎– Velocities
Label: Trans Museq trans museq 4  
Country: US
Released: 1979


Henri Texier ‎– Amir
Label: Eurodisc 913082  
Country: France
Released: 1976



Nathan McLaughlin ‎– Karen Studies
Label: Scissor Tail ‎– ST13 
Country: US
Released: 2013


Henry Kaiser / Charles K. Noyes / Sang-Won Park ‎– Invite The Spirit
Label: Celluloid CELL 5008/5009  
Country: US
Released: 1984


Linda Cohen ‎– Leda
Label: Poppy ‎– PYS-5702   
Country: US
Released: 1972


Various ‎– The Greatest In Country Blues (1927-1956)
Label: Rst Records ‎– BD-01   
Country: US 
Released: Unknown


Albert Ayler ‎– Swing Low Sweet Spiritual
Label: DIW Records DIW-25011
Country: Japan
Released: 1986


Taku Sugimoto ‎– Opposite
Label: hatNOIR ‎– hatNOIR 802
Country: Switzerland
Released: 1998


Ned Rorem / Regina Sarfaty, Julius Katchen ‎– Poems Of Love And The Rain / Second Piano Sonata
Label: Composers Recordings Inc. (CRI) ‎– CRI 202  
Country: US
Released: Unknown


Donald McPherson & Tetuzi Akiyama ‎– Vinegar & Rum
Label: Bo'Weavil Recordings Weavil 12 LP   
Country: UK
Released: 2006 


Fred Frith ‎– Gravity
Label: Ralph Records FF 8057-L  
Country: US
Released: 1980

2014年12月13日土曜日

年間ベスト廃盤レコード2014(その1)

あれよあれよという間に年の瀬。今年の記憶は、幾つかのレコーディング現場にいたこと、ミックスしてたこと、友人達と安酒を煽ったこと、本を読んだこと、そして音楽の研究をしていたこと、その位しか残っていないな。

高校生のバイト代に毛が生えたような賃金で生活をやりくりしている我々にとって「no music,no life」ではなく、「no life, no music」といった方がよっぽどしっくりくると。嗚呼、我が印税よ、あっという間に跡形もなしですよ。ご飯もろくに食べずにレコードを貪ったかいあって、今年1年間で200枚近くのレコードを手に入れた。すなわち、2日に1枚以上買っている計算か。でかした自分!

今年も個人的に印象深かった「廃盤レコード」を幾日かに分けて紹介したいと思う。「年間ベスト廃盤レコード」

マッチ箱に(劣悪な音質の)音楽をスマートに詰め込む事が出来る昨今の音楽所有のあり方の中、わざわざ31×31cmもの巨大な円盤を阿呆のように部屋に積み上げている理由はなんだと思ったが、2007年のユリイカで敬愛する音楽家、大友良英氏が面白い事を語っていた。ぼく自身がレコードとして音楽を手元に置いて起きたい理由を意図せず気づかされたようだ。07年と14年、社会的な意味合いで音楽所有のあり方は何一つ変わっていない。それどころかどんどん悪化していく一方…いや、言いたいことはこんなことではないが、時代と発言の誤解のようなものを招くかもしれないが、それはぼくの独断と偏見によるユーモアとして許して頂きたい。
文脈としてはmp3の問題点、疑問点について議論している。mp3の音は酷いといった話をした流れでここからがぼくにとって重要な話

「個人的な考え方だけれど、音楽を小さい入れ物に入れていつでも自分と一緒に持ち歩く必要はないと思う。音楽は所有するものじゃない。音楽は所有するものでなくて、自分と他者との関係を作るものだと思っている。オレはアナログコレクターではないけれど、レコードが好きなのは、それをプレイヤーにかけて聴くまでのプロセスがあるってことと、特に以前は、それを一人で聴くものではなく、誰かと聴くものだったという点です。」

ぼくは数少ない仲間と一緒に「ああでもない、こうでもない、これ笑えるよな!最高!」なんてお酒を煽りながら深夜にレコードを聴くのが大好きだ。

一つ思い出した話を。ちょうど今年の夏頃、いつものように増村邸にて、増村と友人のソングライター花枝明くんと一緒に音楽を聴いていた。お酒は回ってきた深夜2時過ぎに、おもむろに増村がアフリカへ行く友人から譲ってもらったという、ペーターブロッツマンの「マシンガン」を取り出した。これは世界でも指折りの人力爆音フリーインプロ。とにかく重機関のように管楽器を中心としたオクテットの演奏が絶え間無く鳴り響く。鳴り響きまくる。そんな爆音戦車に耳を傾けていた花枝が、ふと口をついた「あー、でもこれ、aっていうパートがあって、bっていうパートがあって、aでbでaでbで…なんか凄くポップでいいね!」と。今年五本の指に入る位笑った。笑った。

レコードなんて普段は部屋で1人になって聴く事が多いけれど、なんか得体の知れぬ凄まじきレコードを引き当てた日には、この事を誰かに無性に話したくてしょうがなくなる。もし運良く仲間をつかまえ、この得体の知れぬ正体についての議論が始まったなら、それは僕たちはその作品に関わる事が出来たと言って良いだろう。そう、音楽を聴くという行為は受動的に終わるべきでなく、そこで起きている事に関わるのは全く可能なんだ!

前置きが長くなりましたが...それではここから
順位はあえて付けない。そんなのその日の天気によって変わってしまうじゃないか!
手始めに、まず15枚...



Altaba / Cervera / Perucho / Nico / Sole ‎– Tropopausa 
Label: Zeleste Concert ‎– UM-2056  
Country: Spain 
Released: 1979


Edward Ka-Spel ‎– Khataclimici China Doll 
Label: DOM V 77-12
Country: Germany
Released: 1988


Ralph Sauer – Ralph Sauer Plays Music For Trombone By Milhaud, Persichetti, Bassett And Pergolesi
Label: Crystal Records (5) ‎– S381
Country: US
Released:1976


Didier Bonin ‎– L'Air Lumiere
Label: Not On Label
Country: France
Released: 1982



Shankar Jaikishan* ‎– Bombay Talkie 
Label: Odeon ‎– EMOE 2002 
Country: India 
Released: 1970



藤原義江,山田耕筰 ‎– からたちの花
Label: Colombia ‎– 25167
Country: 日本
Released: mid1920


Led Zeppelin ‎– Presence
Label: Swan Song - SSK 59402
Country: UK
Released: 1976



Otomo Yoshihide ‎– The Blue Kite - Original Motion Picture Soundtrack
Label: Trigram ‎– S & T 001 
Country: Japan 
Released: 1994


Sven-Åke Johansson ‎– Idylle Und Katastrophen
Label: Po Torch Records ‎– PTR/JWD 06
Country: Germany
Released: 1980



F:A.R. ‎– Presto I Topi Verranno A Cercarci
Label:  Amen - THX 1138
Country: Italy
Released: 1987


Pearls Before Swine ‎– Balaklava
Label: ESP Disk - 1075
Country: US
Released: 1968



Iverson and Walters ‎– First Collection
Label: Eagle Records - SM4188
Country: US
Released: 1984


Loren Mazzacane Connors & Kath Bloom ‎– Sing The Children Over
Label: Ambiguous ‎– AMB-002
Country: US
Released: 1982



Shona ‎– Africa - Shona Mbira Music
Label: Nonesuch H-72077
Country: US
Released: 1977


Masahiko Togashi ‎– Spiritual Nature
Label: EW8013 
Country: Japan
Released: 1975


岡田

2014年5月9日金曜日

drink?

スピーカーから真理が鳴っても、言葉がバラバラになって雨のように降って来ても、サッシのレールが無限に伸びてその周りを漂えるならそっちに靡いてしまう性なのだが、お酒を飲みに行く蓄えもないので、斜め横からこっそり昔の面白い人達を覗いてみようなんて日々考えていたら、随分乱雑な観察日記ができあがりそうなので、ここら辺りで一つ纏めてみようかなと思っているところのものを少しだけ紹介。

〈小説冒頭傑作集〉
「自分は女に飢えている。」(『お目出度き人』武者小路実篤)
光源氏もびっくり、冒頭から強烈且つストレートな宣言だが、不器用なブ男の女に全くもって相手にされないお話である。自然主義文学を打倒しようとした白樺の代表作家の著者は、自然主義の作家達よりも尚自己にこだわり、そのこだわり方が恐ろしい程純粋であった。加えてあまり文がうまくなく、ブ男だった。なんていうか、キモい。キモいから売れた。相手にされない具合、文章の素直さ、顔、すべてが絶妙に絡み読者にいろんな感情を思い起こさせる。一部同感、応援、憐み、涙。自然主義の女自慢、病気自慢、貧乏自慢を赤裸々に語るスタイルや、谷崎の源氏物語的色好みを変態的に表したスタイルにみられる、モテない男の努力や自己客観性はそこにはなく、簡単に言うならもっとモテなかった。モテない人が悩み、女性を描くと売れたが、モテない人がモテないこと書くからそれも売れた(どれだけ売れたか知らないけど名前は誰もが知っているだろう)。近代以前を見ると元来物書きはモテるはずであったような気もするからモテる男がモテる話を書いてもいいはずだが、ただ近代以降それは売れない。

「彼が嫌っていたのは、父の家ばかりではない。自分の妻子ーー殆ど十六年間に六人の子を産ませた妻と生き残っている三人の子ーーをも嫌っていた。」(『發展』岩野泡鳴)
赤裸々自慢の自然主義の中でも最も強烈且つ首尾一貫性を持つ作家の代表五部作の一作目だが、頭からなんと無残なことを言い出すのかと思いきや、こんなの甘っちょろくて、例えば、妾の元で暮らしている時、子供が病気で死にそうになっているから妻が居場所をやっとのことで見つけ家に帰ってきてくれと懇願するも、そんなものは大事ではないと妻を一喝し拳骨したり、その妾を夜更け暗がりから薄ら顔を見て、こいつは本当に人間かなどとほざく。こんな人でも一応教科書にも出てるし、当時流行作家だったらしい。男女が今ほど自由恋愛でなかった当時、慣習を完全に無視した考え、そして驚くほどそれが実行を伴った彼が書く、まさしく「私小説」といった点がうけたのだろうか。吉田精一氏は「かくて多くの欠点はあるものの、これは日本の近代リアリズムの一つの極致であると言える。この深刻無残な大小説に比べると「蒲団」その他の自然主義小説の多くがいかに甘ちょろく思われることだろう」と語っている。

「山の手線の電車に跳ね飛ばされて怪我をした、」(『城の崎にて』志賀直哉)
吹いた。とりあえず吹いた。嘘やん、て。武者小路実篤と同じ白樺の大作家だが、この人はうまい。超精密カメラ搭載のユーモア補正機能付き。ちなみに同じ白樺の里見弴の『善心悪心』では主人公の友人が山の手線に跳ね飛ばされるところを逃してはならない。


さて、月末からrecです。
増村和彦


2014年5月4日日曜日

Viva L.A. Rock!!!


 最近はもっぱら家レコ掘りに勤しんでいます。掘っても掘ってもセンス良い盤しか出てこないです。過去の自分グッドジョブ!

 個人的にDJ mixなんかして遊んでいます。





 今月のお尻から2枚目の録音が始まります。

岡田

2014年4月3日木曜日

Father John Misty - Fear Fun


 さて、最近は古いレコードは殆ど買ってません。(こないだZombiesとWest Coast Pop Art Experimental Band買ったけど...最高だった!)

 理由は2つあって、1つは、10枚買ってようやく1枚あたりが出る程度の6、70s自主盤を買うのが少し馬鹿げて思えた事。それより最近の海外のそこそこ名の知れたindie folkの方がよっぽどぶっ飛んでいて面白いと思ったから。

 もう1つは、はっぴいえんどみたいな曲をはっぴいえんどみたいに演奏するよりも、はっぴいえんどが当時、西海岸や英国のイケてる音楽をリアルタイムに取り入れ、そこに日本語を乗せ、日本人的な感覚で新たな音楽を構築したように、少しミーハーな事をしてみたいと思ったから。
 1枚目のアルバムを作った時、僕の体内時計は殆どシカゴ音響とYankee Hotel Foxtrotで止まっていたので、次のアルバムを作るに向けて今一度、感覚の更新をしたかった。そこで半ば強制的にシカゴからブルックリンに乗り換えてみた。

 これがなかなか面白くて、例えば高校生の頃適当に聴いていたアニコレなんかも、このフェイク(?)アフリカンな微妙なビートと、ぶっ飛んだエレクトロ使い、そして呪術的なミニマル感はShe Ye Ye系レコードを通った後の耳で聴くと面白い発見がたくさんあった。まさか2014年を向かえ、自分が「Tame Impala最高!」なんて言ってるとは思わなかった...そんな感じでpichforkとモンチコンブログを頼りに最近は新譜ばかり聴いています。(こちら2年前のレコードですが...)


  という訳でこちら。2012年の来日公演をもってFleet Foxesを脱退したドラマーJosh Tillmanのソロ名義「Father John Misty」での一作目。チャクラ開きまくりです。


 Josh TillmanはFleet Foxes在籍中、その前も、何枚かのアルバムを出しています。(Year In The Kingdomとかもスピってて最高です!)本作もこれまでの個人活動同様、ギター片手に男臭く色っぽい歌声を聴かせてくれますが、前作までの内省的なフォーク路線から一変、サイケデリックなグッドポップミュージック。キノコ的なモノに目覚めてしまったのでしょうか。


 Fleet Foxes脱退後、シアトルからハリウッドのローレル・キャニオンに引っ越し、そこでビートニク小説を読んだり、自身も一筆書いてるうちに今作の着想が生まれたそうな。そのとき書いたモノか、LPにはTillman作の小説が封入。


 これはキラーチューンですね。サイケという言葉はさておき、未来永劫普遍であろうポップなメロディー。この物足りないドラムが中央にいてその周りをストレンジなリバーブが掛かった楽器達が覆うこの感じがなんとなく今っぽい音に感じました。


 さて、最近の音楽を聴いている!といえど、真新しい音楽を聴いているというよりは、僕らと同様、6、70年代の音楽の影響を存分に受けたリアルタイムのインディフォークを聴いているといった感じです。「Buffalo Springfield」が「Johnny Cash」の影響を受けてないはずがない訳で、少し乱暴な言い方かもしれませんが「ファズとエコーを用いて、フォークに限らず、R&Bや現代音楽を通った耳でJohnny Cashの音楽を全く新しいものとして再構築したのがBuffalo Springfield」なのかも知れません。そしてTillmanやGrizzly Bearが「Buffalo Springfield」の影響を受けていないはずない訳で...新しい音楽はミュージシャンの根底にあるルーツ音楽をいかにストレンジな音響技術で鳴らすか、いかに他ジャンルとフュージョンするかの繰り返しだと思います。そう考えると最近のUSインディは近年ジャズ同様なんだかとても面白い動きをしているように思います。まあ1つのあり方として。

  そういえばFather John Misty名義で今年新譜が出るとかでないとか...気長に待ちます。

岡田