2012年12月27日木曜日

Jay Bolotin - Jay Bolotin

さてCDやレコードは中学生の頃から集めており、早10年近く経つといわゆる有名どころの音楽や名盤と呼ばれるもののほとんどは聴いてしまいました。

ので今年はあえて聴いた事も無いミュージシャン達のレコードを進んで買うようにしてきました。

その中でも抜きん出た一枚をどん!

Jay Bolotin

カントリー界の大御所、Kris Kristoffersonに「カントリー界の作曲家ベスト3のひとり」と言わしめた以外彼の情報はよく分かりません。

しかし彼の非凡さは、一つレコードに針を落とせばすぐ。
なんですか、このオルタナ感!昨今の多様な音楽シーンを存分に吸収し、あえてフォークギターを手にロンサムした盆暗の様なこの鋭さは!

個人的にしてやられたキラーチューン
B面3曲目「I'm Not Asking You」がもうたまりません。名曲。

そして所々に入る、ピアノやシロフォンの外し具合も最高です(笑)


間違いなく早過ぎた天才の1人です。


ちなみに2006年突如として発売された新譜(?)では、Jonny Greenwood張りの弦楽曲を聴かせてくれます。

さてさて、岡田による、初の化石発掘音源と思いきやCDはおろか近年アナログでも再発されていました。知ってる人は知ってる一枚の様。

それにしても飾りたくなるような素敵なジャケットです。

岡田


2012年10月12日金曜日

Charles Lloyd - The Water Is Wide

"The Most Beautiful Sound Next To Silence (静寂の次に美しい音楽)"

ジャズから現代音楽、バロックなど幅広いラインナップを取り揃える
ドイツ"ECM Records"の特徴的なサウンドを一言で表す際によく持ち出される言葉です。
ECMからリリースされるレコードはジャンルに関わらず一貫してこのコンセプトが貫き通されています。

室内楽的なスマートなアンサンブル、ほんのり残響のかかったサウンド、透き通る水をイメージさせられます。

そして音楽性もさることながら、その美しいアートワーク(こちらも一貫してECM色)にも定評のあります。


今回はそんなECMレーベルのなかのお気に入りの1枚を紹介したいと思います。

The Water Is Wide/Charles Lloyd(Ts)(ECM 1734) - Recorded December 1999. 
左から John Abercrombie(G), Charles Lloyd(Ts),Billy Higgins(Ds),Brad Mehldau(P),Larry Grenadier(B) 



Charles Lloyd (Tennor Sax)の2000年作。駆け出し(?)のBrad Mehldau(Piano)が参加してる辺が興味深く、これを聴けるというだけでも価値ある1枚です。John Abercrombie(Guitar)参加の作品も10枚近く持っていますがここでの演奏はピカイチ、音数をしぼった渋い演奏が良い味を出しております。

さて簡単にチャールズさんの紹介を。
メンフィス出身。キャリアは古く50年代よりB. B. King, Howlin' Wolfなどのブルースマンの録音に参加。60年代後半に自身のカルテットを結成。メンバーは Keith Jarrett(Pf)、Cecil McBee(B)、Jack DeJohnette(Dr)。コルトレーン亡き後に後継者として名声を獲得します。意外な所で70年代のThe Beach Boysのツアーに同行していたりします。80年代に隠遁生活に入りますが、89年ECMレコードから復帰作をリリース。その後現在に至るまで同レーベルからコンスタンスにCDをリリースしていきます。

チャールズさんの真っ白いヒゲ、丸っこいサングラス、斜めに構えた独特のフォームでサックスを演奏する姿は一度目にすると忘れられないと思います。


さて本作ですが同じく南部出身Ray Charlesの「Georgia」や、タイトルとなったアイルランド民謡の「The Water Is Wide」、そして彼が敬愛しているEllingtonの作品などのカバーと、自身のオリジナル曲がおよそ半々の割合で収録されています。

大半がバラード曲であり彼の作品の中では割に人懐っこい作品だと思います。

そしてなんと言っても、歳を重ねて行くごとに深みの増すCharles Lloydの演奏は世界で一番美しいテナーサックスの音色を奏でます。この音はもはや前人未到の地だと思います。

さて現在も精力的に活動されているチャールズさん(最近はFacebookを始めた模様)。
ちなみに彼は、僕の一生のうちに一度は観たい演奏家のトップ3のうちの1人です(後の2人はB.B.KingとRavi Shankar)。よい演奏家さんはいつまでも元気でいてもらいたいものです。

岡田


2012年10月11日木曜日

Hill,Barbata,Ethridge - L.A.Getaway


どーん!!!
いやはや、なんてかっこ良いジャケットでありましょうか。
久々にジャケ買いしてしまいました。



「L.A.Getaway」なんて全くなじみの無いバンド名だったので早速家に帰り資料を集めてみると裏ジャケに映るこの2人はお馴染みのセッションマンでした。

セミアコベースを抱えた渋い出で立ちのこちらのお方は、

Gram Parsons率いるThe Flying Burrito Brothersのオリジナルメンバーであり、Ry CooderやRandy Newman、後期のDoorsなど、くせ者ミュージシャンたちを陰で支えたChris Ethridge。

Ron Wood似のドラマーさんは、

CSNYの「4 Way Streets」が録音されたツアーに同行し、その後も彼らのソロワークでちょいちょい顔を出しているJohn Barbata。

そしてジャケットには写っていませんが、Dr.JohnやLeon Russell、Booker T Jonesなんかもゲストで参加、Dan Pennは曲提供でクレジットされています。

さて肝心の中身ですがこれだけの面子がそろって外れな訳がありません。最高であります。

気心知れたミュージシャンたちが集まり自分たちの好きな音楽を好きな様に演奏したようで、リラックスした雰囲気が全編に感じられます。しかしここはスワンプを代表するセッションマンが集結した1枚。ただのセンションアルバムには終わらず、各楽器の絡みなんか聴いているとかなり作り込んである風に聴こえます。

とあるブログで「ディドリーの曲で幕をあけ、トゥーサンの曲でしめくくるなんて、なかなか洒落たことをやってくれますね」と語っている方がおりましたがまさしくです。

個人的にはやはりDan Pennの「Long Ago」がベストトラック。


ちなみに「L.A.Getaway」はアルバム名であり、アーティスト名は彼らの連名「Hill,Barbata,Ethridge」が正しいよう。


さてジャケ表面に写る長髪、614のいかにもなルックスのJoel Scott Hillさんですが、このネット全盛時代にも関わらず「L.A.Getaway」以外の情報はあまり得られませんでした。


岡田


2012年10月8日月曜日

森は生きているのライブ情報


2012.10.22 (月)
吉祥寺曼荼羅 
connection vol.4」
Open:19:00/Start:19:30¥500+2D(¥1,000)
Host:aladdin9 Guest:森は生きている / BRIGHT SIZE RHYME Dj:Fresco

2012.11.21 (水)
渋谷7th FLOOR http://7th-floor.net/
「新・わか(うた)ものたち」
時間料金未定
出演:花と路地 / 森は生きている / 足高彩子 / よよよ い 他

2012.12.7 (金)
高円寺ペンギンハウス
「楽しい夜更かし」
Open:19:00/Start:19:30¥1500+1D
出演:ゆるさ / 森は生きている


11月の7th floorのライブで初の音源を売り込む予定であります。
アナログ盤なら33回転10inchくらいのボリュームになる予定です。

ちなみにすべてのライブはmoriwaikiteiru2011(a)gmail.com から予約できます。

是非ぜひ〜


Marc Benno - Minnows

10月も早々1週間が過ぎ去ってしまいました。

大学3年僕はこの冬から就活の時期になり、なんだか身の回りの事にについて考える事が多くなってきました。

今日もバイトだったのですが、とあるお客さんに挑発的なことを言われさすがに腹が立ち大人げなく乗っかってしまい店長にこっぴどく叱られてしまいました。きっと「僕は悪くないのに...」って言うのが社会に出るとどんどん通用しなくなるんだなと思い、「なんだかやるせないなあ」なんて中学生みたいな事を考えていました。当たり前の事なのでしょうが...

世界有数のサービス大国、経済大国は働き手の人権を無視して成り立っていると思い、なんだかこの国の自殺率なんかを見ると本当に滑稽に思えます。生真面目な民族故のなんたらなんでしょうか...

まあしかしそんな事はどうでもいいです。僕はたとえそれが通用しないにしても自分に正直に生きたいと思います。

最近のお気に入りの言葉で「武士道とは如何に死ぬ事と見つけたり」というのがあります。先日ペダルスチール奏者の駒沢裕城さんにお会いする機会がありまして、その時頂いた言葉なのですが、商業的なものからは離れて我が道を、前人未到の地を切り開こうとしている方が言うととても深みを感じました。


そんな事を考えながら庭で煙草をふかしていました

Marc Bennoの「雑魚」というレコードを聴きながらです。

僕の大好きなJesse Ed DavisやClarence White、面白い所でソウル畑のBobby Womackなんかも参加しています。

スワンプの名盤という事ですが、泥臭い南部ロックというよりは繊細で内省的な音を聴かせてくれます。当時の若手のミュージシャンが集まって作った作品。若者たちのエネルギーは半世紀近く経った今でも力強く感じます。
きっと彼らは小指の爪ほどの迷いもなくこの世界に飛び込んで行ったんだろうなあ、なんて想像してしまいます。

そして「Minnows」を当時「雑魚」と訳した日本人もなかなかセンスを感じます。「雑魚」を世間的に価値のない魚というなら、世と別の次元で桟橋に腰掛け音楽を作っていたMarcもその1人なのだろうし、僕自身もその仲間に入れてもらいたいものです。

岡田





2012年9月22日土曜日

無人島レコード

どうも、森は生きているの歌担当、竹川と申します。 今日は新しく入った鍵盤奏者さんと顔合わせを兼ねた練習(セッション?)でした。楽しかったなぁ。増村さん然り、このバンドがどんどんいい方向に向かってるのをすごく感じます。これからに期待。 それはさておき、この間バンドメンバーで飲んできました。いろいろな話をしたんですけど、結論からいうと、【竹川のエロを全面に出していこう】ということでした。僕にはよく分からないです。 そんな飲み会の中で、もし無人島に行く事になったらもっていくレコード(通称「無人島レコード」)という話題になりました。その中で僕が挙げた無人島レコードを今日は紹介したいと思います。
Talahomi way/The High Llamas このアルバムは2011年に出した彼らの一番新しいアルバムなのですが、僕がこの一枚を買うきっかけ(というかハイ・ラマズを知るきっかけ)となったのが、今年の冬にあったde la fantasiaというイベントでした。このイベントには星野源やらジムオルークやら細野さんやら、メンバーの好きなミュージシャンが一同に集まった素晴らしいものだったのですが、このイベントのトリを務めたのがHigh llamasでした。僕は正直、変な名前のバンドだなぁという印象しか最初はなかったのですが、一曲目を聴いて、鳥肌がたちました。うまく言えないのですがとにかく曲の完成度がすばらしかった。まあ無人島レコードになるぐらいだから素晴らしいのがそこだけじゃないのは言わずもがななんですが僕は歌うたいのくせして圧倒的語彙力不足なのでこの素晴らしさは後に増村さんに説明して頂きましょう。(笑)そんなHigh Llamasにただただ感動して今僕は完全にソフトロック好きと化してしまいました。某ソフトロックマニアの影響ではないです。多分。 休日の昼間にBGMとして流すのも最適な一枚じゃないかと僕は思っています。さらっと聞き流せるのもソフトロックの良さなのかなと思ったり思わなかったり・・・ 今日はこれくらいにしときます。あっ語彙力がないのは割とコンプレックスだったりもするのでこれからは積極的に読書をしていこうかなと思います。10月の課題図書は梶井基次郎の全集です。全一巻です。頑張ります。読み終わったら読書感想文をここに挙げることを誓います。頑張ります。おやすみなさい。

2012年9月15日土曜日

はっぴいえんど - Happy End

専ら日本語ロックなんて蔑ろに音楽を聴き続けて来ました。

高校生になると、ぽつぽつオリジナル曲を演奏する同じ世代のバンドが現れ始めました。
自分の音に、自分の言葉をのっけて歌う彼らの姿は、偽コンボジャズバンドで歌無し曲を演奏していた僕にとって、かなり衝撃的でした。

そして例の如く負けず嫌いな僕は「おれもやったろやないか」と思い立ち、まず資料集めに今はなき国立のdiskunionへ向かいました。

「はっぴいえんど」という魔法の言葉のような名前のバンドは昔雑誌で見て記憶に残っていました。白地に4人の男のむさい顔が浮かび上がっている絵と共に。

さて「ふうがいろまん」買うぞと!(「かぜまち」と読むと知るのは半年後)意気込んで「は」のCD棚の前へ、「はっぴいえんど」欄を見つけかがみ込むと、1枚のCDが背表紙を覗かせていました。手に取るとそれは「むさい男たち」の顔でなく、50sアメリカン、「例のブツ」よりは大分清涼感のある男女のアップ写真でした。

うーむと考え、手ぶらでレコード屋を出るのも癪なのでその一枚をお土産にして行く事にしました。

その帰り道「日本語ロック、歌詞を書くには本を読まなならん」と思い、近所の本屋でS.キングの「スタンド・バイ・ミー」と村上龍さんの「限りなく透明に近いブルー」、そしてこのアルバムを聴く度になぜかイメージの重なる、村上春樹さんの「ノルウェイの森」を買ったのでした。「朝の読書週間」に「ドラえもん」を読み続けた僕には初めての読書体験でした。

さてその内容ですが1曲目「風来坊」では管楽器が入っていたり、全編通して程よいブラックフィーリンが感じられたり、当時ソウル、ジャズ狂だった僕には取っ付きやすい一枚でした。いきなし「風街ろまん」からはいっていたら、また違う感じ方をしたかもしれません...

録音は西海岸ロスの「サンセットスタジオ」にて。隣の部屋では丁度、リトルフィートのあの名鑑の録音が行われていたというのは有名な話。

そして実はこれが今でも僕の「ベストはっぴいえんレコード」でもあります。もちろん前作「風街ろまん」は誰も文句の付けようのない世紀の名鑑。この次のティンパンの「キャラメルママ」、そして大滝さんのソロ作も、のちのCity Popの記念碑的作品、大名鑑であります。

しかし僕はその名鑑に挟まれた、フォーキーでメロウで、泥臭さも感じさせながらも洗練されたこの1枚がとてもお気に入りです。

岡田





2012年9月2日日曜日

Hal David & Burt Bacharach - What The World Needs Now Is Love

バカラックとのコンビで知られ、「遥かなる影」、「サンホセへの道」など数多くのヒット曲を生み出してきた作詞家ハルデヴィッドさんが亡くなられました。享年91歳。合掌。
   
WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
(世界は愛を求めている)




今、世界が必要なものは愛、やさしい愛


愛だけがあまりにも少なすぎるから


今、世界が必要なものは愛、すてきな愛

一握りの人の為じゃなく、皆の為の愛



神様、余分な山はいりません


登るための山も丘も十分あるんです


渡るための海や川も十分あるんです


この世が終わるまで十分にあるんです



神様、もう、これ以上農場はいりません


充分に収穫できるとうもろこし畑も麦畑もあります


輝く太陽の光も月の光も十分あるんです


だから神様、耳を貸してください


もし、知る気のあるのなら・・・




岡田






2012年8月31日金曜日

The Floating House Band - The Floating House Band

アナログレコードの魅力って音が良いとかなんだ以前に、ジャケットがデッカいところだと僕は思います。CDのそれとは比べ物にならないほど迫力があるわけでして、プレーヤーを入手したばかりの頃は、お気に入りのジャケットのレコードをCDでも持ってるにもかかわらず何枚も買い漁ったものです。

そう僕にとってレコードを買うというのは、45分間の音楽とともに、31.5×31.5cmの写真または絵画を買うという事だと思います。

さて話はそれましたが、そうしてレコードにシフトチェンジしてからアートワークへの関心も次第に強くなっていきました。そしてたまたま手に取ったレコードのアートワークに引き込まれ中身も聴かずに買ってしまうという、いわゆる「ジャケ買い」というものをするようになりました。Cross CountryやYoungbloodsといった、普通に生活しているだけでは絶対に出会わないであろう音楽たちも、素敵なアートワークが目を引き出会う事ができました。

そして本盤「The Floating House Band」も、その「ジャケ買い」で偶然引き合わされた一枚でした。

1968年作。John Fahey主宰のTAKOMAレコーズからリリースされた一枚。

STONE PONEYSに在籍していたBOBBY KIMMELやSHEP COOKEを中心とした3人組み。
「CSNを彷彿させるフォーク・ロックサウンド...」などと紹介される事が多いが、リリース自体はこちらの方が先。

TAKOMAらしいきらびやかなアコースティック・ギター・サウンドに、裏ジャケのもさいメンバーの写真からは想像もつかない美しいハーモニー、前途でも触れましたが、よく引き合いに出されるCSNとはまた異なるアシッド感の一切無い、オーガニックなフォークロックを聴かせてくれます。

そして表のジャケに所々みられる東洋趣味にクスリとさせられます。
最高の一枚。

岡田






2012年8月23日木曜日

The Beach Boys - Holland



別に誰に祝ってくれと言っている訳ではありませんが、
昨日は僕の21回目の誕生日でした。

藤子F不二雄ミュージアムに連れてってもらい、
夏休みのちびっ子たちに混じってはしゃいできました。

そしていつものごとく自分へのお祝いに、1枚レコードを買ってきました。


The Beach Boys - Holland

1973年作。1966年後半「Good Vibration」の世界的ヒット以降、ビーチボーイズは長い売り上げ不振が続く。そして1967年、リーダーであるブライアンが未完の名盤「Smile」の制作に没頭している間に世界の音楽シーンは目まぐるしい変化を遂げる。ビートルズが「Sgt」を発表したのを皮切りに、ドアーズの1stが全米でトップに、その夏モントレーにて超新星ジミ・ヘンドリックスは「サーフィンミュージックは終わった」とステージで宣言した。ブライアンが緻密に作り上げたシンフォニックな新しいロックサウンドは1年で過去の産物と化す。その出来事が彼に大きな精神的ダメージを与えたであろう事は想像に難くない。結局「Smile」の制作を放棄してしまう。

その後、ビーチボーイズは良質な最先端のロックアルバムを何枚も制作するが、彼らの持つサーフィン、ホットロッド、健康的で時代遅れなイメージはぬぐい去れず、売り上げ的には長い低迷期を迎える。度重なるメンバーの不和、脱退。ブライアンのドラッグ、アルコール癖は深刻化していく。

そして1972年。当時バンドのマネージメント面で大きな力を持っていた広報ジャック・ライリーはこの状況を危惧し、新たな環境で音楽作り専念できるようメンバーに対して、以前ツアーで出向いた際に気に入ったオランダへ家族ぐるみでの移住を提案。(しかしこのもっともらしい移住理由はあくまで立て前であり、ライリーの移住願望の本心は、手軽にマリファナが手に入り、尚かつ、お気に入りのテレビ番組の再放送がオランダで放映されていたから、という逸話も某雑誌で読んだのだが、真相はいかほど)

そんなこんなで半ば強引にメンバーを移住させ制作したのがこの一枚である。

僕はブライアンとヴァン・ダイクの共作である本アルバム1曲目の「Sail On, Sailor 」を先日の来日公演で初めて聴いて以来お気に入りです。この曲が「Smiley Smile」以降のビーチボーイズを探求するきっかけになりました。

本作の最も特異な点、ボーナスとして加えられたEP、ブライアンによるおとぎ話『ヴァーノン山と小道』が付属するところ…ということなのですが、僕の個体にはリイシューのためか、はたまたその内容のクソさに前の持ち主が叩き割ってしまったためか付属していませんでした。

さて肝心の売り上げは全米37位とまずまずでありました。しかし渡蘭に莫大な経費をつぎ込み、また男性スタッフとの性的関係が発露したライリーはこのアルバムを最後に解雇される事となります。

しかし何はともあれ、70sビーチボーイズのアダルトな(AOR的とでも言うのか)雰囲気が楽しめる良質な1枚でありました。

岡田



2012年6月4日月曜日

笑顔の女の子の話

 録音をするだかなんだ言っておりましたが、4月から各々新しい生活が始まり、まったくもって進んでいません。ライブをお休みしている間にメンバーが1人抜け、2人加わりました。夏の始まりとともに素敵なライブが出来るよう、アレンジを固めたり、新しい楽器に手を出してみたりしているところです。


さて話は変わりますが、先日、母校である宇宙高校ビッグバンドの定期演奏会を観に行ってきました。ビッグバンドと言えど、僕の代では管楽器がフルで5、6人しかおらずビッグバンドと呼べるようなもんではなかったですが。よくも悪くも宇宙高スピリットが受け継がれており安心しました。ドラムのカウントなんて特に

しかし一つ残念だったのが、大昔のOBが作曲し何十年と受け継がれてきた「The Girl With Smile」という曲が演奏されなかったことです。これは只でさえ高速スィングの難しい曲なのに、テーマのサックスのフレーズは作曲者の悪意さえ感じてしまうほど。そして実際にこのサックスのフレーズは作者の悪意により生まれたもののようです。

こんな逸話がありました。この曲を作曲したのは当時トロンボーンを受け持つ学生でした。そして彼には部内に好きな女の子がいました。しかしその女の子はある日、サックスパートの男子部員と恋に落ちる事になります。悲しみに暮れる作曲者はこのやり場の無い思いを、音楽を作るエネルギーに変換しある名曲を泣きながら書き上げます。そしてその曲のサックスアレンジはとびっきり難しいものにしておきました。この話、どこまでが本当か分かりませんが、これが後の部員たちを苦しめる事になる「The Girl With Smile」という曲です。現役時代はサックスパートはもとより、他のパートも難易度が高いため、部員からは毛嫌いされてきた楽曲ですが、今改めて軽音部の思い出を想い返すとなると、真っ先にこの曲が思い浮かぶのは僕だけではないと思います。なので少し寂しい気がしました。


帰りの電車の中で、高校時代に毎日のように聴いていたDoony Hathawayの「Live」と、King Curtisの「Live At Fillmore West」を聴きながら夢中でCornell Dupreeのフレーズやサウンドをコピーしたのを思いました。クリーントーンの良さを高校生伝えるのはあまりに難しい
まあ何はともあれ、僕たちの現役時代とは比べ物にならないくらい人数も増え、演奏もみんな上手で本当に楽しませてもらえました。そして近いうちmori wa ikiteiruで「The Girl With Smile」演奏したいなと思っております。手を加えて抜いて...

岡田

2012年5月18日金曜日

日々の泡沫

mori wa ikiteiruのブログが出来ました。
ここで僕たちは、日々の事を、自分たちが好きな音楽の紹介を、楽器の事を、身の回りのいろんな物事をこっそり文章にしていこうと思います。

ではとりあえず近況報告。
これから「mori wa ikiteiru」は

takuro okada (guitar,pedal steel,mandolin,analog synth,chorus,photograph)
satoshi takekawa (vocal,chorus,guitar,percussion)
naohiro takeda (piano,organ,accordion,chorus)
jun jun (a.sax,flute,trumpet,chorus)
ryo kobayashi (bass,chorus)
kazuhiko masumura (drums,percussion)

の6人編成で8月頃のライブ再開を目標に活動していきます。
また現在、割り勘で高いマイクを一本買い、ちょっとした音源集の制作も行っております。8月のライブ会場で販売する予定です。

それでは今後ともmori wa ikiteiruをよろしくお願いします。

メンバー一同