2014年12月13日土曜日

年間ベスト廃盤レコード2014(その1)

あれよあれよという間に年の瀬。今年の記憶は、幾つかのレコーディング現場にいたこと、ミックスしてたこと、友人達と安酒を煽ったこと、本を読んだこと、そして音楽の研究をしていたこと、その位しか残っていないな。

高校生のバイト代に毛が生えたような賃金で生活をやりくりしている我々にとって「no music,no life」ではなく、「no life, no music」といった方がよっぽどしっくりくると。嗚呼、我が印税よ、あっという間に跡形もなしですよ。ご飯もろくに食べずにレコードを貪ったかいあって、今年1年間で200枚近くのレコードを手に入れた。すなわち、2日に1枚以上買っている計算か。でかした自分!

今年も個人的に印象深かった「廃盤レコード」を幾日かに分けて紹介したいと思う。「年間ベスト廃盤レコード」

マッチ箱に(劣悪な音質の)音楽をスマートに詰め込む事が出来る昨今の音楽所有のあり方の中、わざわざ31×31cmもの巨大な円盤を阿呆のように部屋に積み上げている理由はなんだと思ったが、2007年のユリイカで敬愛する音楽家、大友良英氏が面白い事を語っていた。ぼく自身がレコードとして音楽を手元に置いて起きたい理由を意図せず気づかされたようだ。07年と14年、社会的な意味合いで音楽所有のあり方は何一つ変わっていない。それどころかどんどん悪化していく一方…いや、言いたいことはこんなことではないが、時代と発言の誤解のようなものを招くかもしれないが、それはぼくの独断と偏見によるユーモアとして許して頂きたい。
文脈としてはmp3の問題点、疑問点について議論している。mp3の音は酷いといった話をした流れでここからがぼくにとって重要な話

「個人的な考え方だけれど、音楽を小さい入れ物に入れていつでも自分と一緒に持ち歩く必要はないと思う。音楽は所有するものじゃない。音楽は所有するものでなくて、自分と他者との関係を作るものだと思っている。オレはアナログコレクターではないけれど、レコードが好きなのは、それをプレイヤーにかけて聴くまでのプロセスがあるってことと、特に以前は、それを一人で聴くものではなく、誰かと聴くものだったという点です。」

ぼくは数少ない仲間と一緒に「ああでもない、こうでもない、これ笑えるよな!最高!」なんてお酒を煽りながら深夜にレコードを聴くのが大好きだ。

一つ思い出した話を。ちょうど今年の夏頃、いつものように増村邸にて、増村と友人のソングライター花枝明くんと一緒に音楽を聴いていた。お酒は回ってきた深夜2時過ぎに、おもむろに増村がアフリカへ行く友人から譲ってもらったという、ペーターブロッツマンの「マシンガン」を取り出した。これは世界でも指折りの人力爆音フリーインプロ。とにかく重機関のように管楽器を中心としたオクテットの演奏が絶え間無く鳴り響く。鳴り響きまくる。そんな爆音戦車に耳を傾けていた花枝が、ふと口をついた「あー、でもこれ、aっていうパートがあって、bっていうパートがあって、aでbでaでbで…なんか凄くポップでいいね!」と。今年五本の指に入る位笑った。笑った。

レコードなんて普段は部屋で1人になって聴く事が多いけれど、なんか得体の知れぬ凄まじきレコードを引き当てた日には、この事を誰かに無性に話したくてしょうがなくなる。もし運良く仲間をつかまえ、この得体の知れぬ正体についての議論が始まったなら、それは僕たちはその作品に関わる事が出来たと言って良いだろう。そう、音楽を聴くという行為は受動的に終わるべきでなく、そこで起きている事に関わるのは全く可能なんだ!

前置きが長くなりましたが...それではここから
順位はあえて付けない。そんなのその日の天気によって変わってしまうじゃないか!
手始めに、まず15枚...



Altaba / Cervera / Perucho / Nico / Sole ‎– Tropopausa 
Label: Zeleste Concert ‎– UM-2056  
Country: Spain 
Released: 1979


Edward Ka-Spel ‎– Khataclimici China Doll 
Label: DOM V 77-12
Country: Germany
Released: 1988


Ralph Sauer – Ralph Sauer Plays Music For Trombone By Milhaud, Persichetti, Bassett And Pergolesi
Label: Crystal Records (5) ‎– S381
Country: US
Released:1976


Didier Bonin ‎– L'Air Lumiere
Label: Not On Label
Country: France
Released: 1982



Shankar Jaikishan* ‎– Bombay Talkie 
Label: Odeon ‎– EMOE 2002 
Country: India 
Released: 1970



藤原義江,山田耕筰 ‎– からたちの花
Label: Colombia ‎– 25167
Country: 日本
Released: mid1920


Led Zeppelin ‎– Presence
Label: Swan Song - SSK 59402
Country: UK
Released: 1976



Otomo Yoshihide ‎– The Blue Kite - Original Motion Picture Soundtrack
Label: Trigram ‎– S & T 001 
Country: Japan 
Released: 1994


Sven-Åke Johansson ‎– Idylle Und Katastrophen
Label: Po Torch Records ‎– PTR/JWD 06
Country: Germany
Released: 1980



F:A.R. ‎– Presto I Topi Verranno A Cercarci
Label:  Amen - THX 1138
Country: Italy
Released: 1987


Pearls Before Swine ‎– Balaklava
Label: ESP Disk - 1075
Country: US
Released: 1968



Iverson and Walters ‎– First Collection
Label: Eagle Records - SM4188
Country: US
Released: 1984


Loren Mazzacane Connors & Kath Bloom ‎– Sing The Children Over
Label: Ambiguous ‎– AMB-002
Country: US
Released: 1982



Shona ‎– Africa - Shona Mbira Music
Label: Nonesuch H-72077
Country: US
Released: 1977


Masahiko Togashi ‎– Spiritual Nature
Label: EW8013 
Country: Japan
Released: 1975


岡田

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