2014年4月3日木曜日

Father John Misty - Fear Fun


 さて、最近は古いレコードは殆ど買ってません。(こないだZombiesとWest Coast Pop Art Experimental Band買ったけど...最高だった!)

 理由は2つあって、1つは、10枚買ってようやく1枚あたりが出る程度の6、70s自主盤を買うのが少し馬鹿げて思えた事。それより最近の海外のそこそこ名の知れたindie folkの方がよっぽどぶっ飛んでいて面白いと思ったから。

 もう1つは、はっぴいえんどみたいな曲をはっぴいえんどみたいに演奏するよりも、はっぴいえんどが当時、西海岸や英国のイケてる音楽をリアルタイムに取り入れ、そこに日本語を乗せ、日本人的な感覚で新たな音楽を構築したように、少しミーハーな事をしてみたいと思ったから。
 1枚目のアルバムを作った時、僕の体内時計は殆どシカゴ音響とYankee Hotel Foxtrotで止まっていたので、次のアルバムを作るに向けて今一度、感覚の更新をしたかった。そこで半ば強制的にシカゴからブルックリンに乗り換えてみた。

 これがなかなか面白くて、例えば高校生の頃適当に聴いていたアニコレなんかも、このフェイク(?)アフリカンな微妙なビートと、ぶっ飛んだエレクトロ使い、そして呪術的なミニマル感はShe Ye Ye系レコードを通った後の耳で聴くと面白い発見がたくさんあった。まさか2014年を向かえ、自分が「Tame Impala最高!」なんて言ってるとは思わなかった...そんな感じでpichforkとモンチコンブログを頼りに最近は新譜ばかり聴いています。(こちら2年前のレコードですが...)


  という訳でこちら。2012年の来日公演をもってFleet Foxesを脱退したドラマーJosh Tillmanのソロ名義「Father John Misty」での一作目。チャクラ開きまくりです。


 Josh TillmanはFleet Foxes在籍中、その前も、何枚かのアルバムを出しています。(Year In The Kingdomとかもスピってて最高です!)本作もこれまでの個人活動同様、ギター片手に男臭く色っぽい歌声を聴かせてくれますが、前作までの内省的なフォーク路線から一変、サイケデリックなグッドポップミュージック。キノコ的なモノに目覚めてしまったのでしょうか。


 Fleet Foxes脱退後、シアトルからハリウッドのローレル・キャニオンに引っ越し、そこでビートニク小説を読んだり、自身も一筆書いてるうちに今作の着想が生まれたそうな。そのとき書いたモノか、LPにはTillman作の小説が封入。


 これはキラーチューンですね。サイケという言葉はさておき、未来永劫普遍であろうポップなメロディー。この物足りないドラムが中央にいてその周りをストレンジなリバーブが掛かった楽器達が覆うこの感じがなんとなく今っぽい音に感じました。


 さて、最近の音楽を聴いている!といえど、真新しい音楽を聴いているというよりは、僕らと同様、6、70年代の音楽の影響を存分に受けたリアルタイムのインディフォークを聴いているといった感じです。「Buffalo Springfield」が「Johnny Cash」の影響を受けてないはずがない訳で、少し乱暴な言い方かもしれませんが「ファズとエコーを用いて、フォークに限らず、R&Bや現代音楽を通った耳でJohnny Cashの音楽を全く新しいものとして再構築したのがBuffalo Springfield」なのかも知れません。そしてTillmanやGrizzly Bearが「Buffalo Springfield」の影響を受けていないはずない訳で...新しい音楽はミュージシャンの根底にあるルーツ音楽をいかにストレンジな音響技術で鳴らすか、いかに他ジャンルとフュージョンするかの繰り返しだと思います。そう考えると最近のUSインディは近年ジャズ同様なんだかとても面白い動きをしているように思います。まあ1つのあり方として。

  そういえばFather John Misty名義で今年新譜が出るとかでないとか...気長に待ちます。

岡田

1 件のコメント:

  1. 音楽を、こうやって、際限なく楽しんでいる人をみると、とても悔しい気持ちになります。
    なんだかすごく触発されました。
    まだまだ、限りなく、自分は楽しめるんだな、って、そんな気持ちです。

    自分は、細々とこそこそと好きな音楽を聞いている者です。
    http://satonomae.blogspot.jp/


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