2012年8月31日金曜日

The Floating House Band - The Floating House Band

アナログレコードの魅力って音が良いとかなんだ以前に、ジャケットがデッカいところだと僕は思います。CDのそれとは比べ物にならないほど迫力があるわけでして、プレーヤーを入手したばかりの頃は、お気に入りのジャケットのレコードをCDでも持ってるにもかかわらず何枚も買い漁ったものです。

そう僕にとってレコードを買うというのは、45分間の音楽とともに、31.5×31.5cmの写真または絵画を買うという事だと思います。

さて話はそれましたが、そうしてレコードにシフトチェンジしてからアートワークへの関心も次第に強くなっていきました。そしてたまたま手に取ったレコードのアートワークに引き込まれ中身も聴かずに買ってしまうという、いわゆる「ジャケ買い」というものをするようになりました。Cross CountryやYoungbloodsといった、普通に生活しているだけでは絶対に出会わないであろう音楽たちも、素敵なアートワークが目を引き出会う事ができました。

そして本盤「The Floating House Band」も、その「ジャケ買い」で偶然引き合わされた一枚でした。

1968年作。John Fahey主宰のTAKOMAレコーズからリリースされた一枚。

STONE PONEYSに在籍していたBOBBY KIMMELやSHEP COOKEを中心とした3人組み。
「CSNを彷彿させるフォーク・ロックサウンド...」などと紹介される事が多いが、リリース自体はこちらの方が先。

TAKOMAらしいきらびやかなアコースティック・ギター・サウンドに、裏ジャケのもさいメンバーの写真からは想像もつかない美しいハーモニー、前途でも触れましたが、よく引き合いに出されるCSNとはまた異なるアシッド感の一切無い、オーガニックなフォークロックを聴かせてくれます。

そして表のジャケに所々みられる東洋趣味にクスリとさせられます。
最高の一枚。

岡田






2012年8月23日木曜日

The Beach Boys - Holland



別に誰に祝ってくれと言っている訳ではありませんが、
昨日は僕の21回目の誕生日でした。

藤子F不二雄ミュージアムに連れてってもらい、
夏休みのちびっ子たちに混じってはしゃいできました。

そしていつものごとく自分へのお祝いに、1枚レコードを買ってきました。


The Beach Boys - Holland

1973年作。1966年後半「Good Vibration」の世界的ヒット以降、ビーチボーイズは長い売り上げ不振が続く。そして1967年、リーダーであるブライアンが未完の名盤「Smile」の制作に没頭している間に世界の音楽シーンは目まぐるしい変化を遂げる。ビートルズが「Sgt」を発表したのを皮切りに、ドアーズの1stが全米でトップに、その夏モントレーにて超新星ジミ・ヘンドリックスは「サーフィンミュージックは終わった」とステージで宣言した。ブライアンが緻密に作り上げたシンフォニックな新しいロックサウンドは1年で過去の産物と化す。その出来事が彼に大きな精神的ダメージを与えたであろう事は想像に難くない。結局「Smile」の制作を放棄してしまう。

その後、ビーチボーイズは良質な最先端のロックアルバムを何枚も制作するが、彼らの持つサーフィン、ホットロッド、健康的で時代遅れなイメージはぬぐい去れず、売り上げ的には長い低迷期を迎える。度重なるメンバーの不和、脱退。ブライアンのドラッグ、アルコール癖は深刻化していく。

そして1972年。当時バンドのマネージメント面で大きな力を持っていた広報ジャック・ライリーはこの状況を危惧し、新たな環境で音楽作り専念できるようメンバーに対して、以前ツアーで出向いた際に気に入ったオランダへ家族ぐるみでの移住を提案。(しかしこのもっともらしい移住理由はあくまで立て前であり、ライリーの移住願望の本心は、手軽にマリファナが手に入り、尚かつ、お気に入りのテレビ番組の再放送がオランダで放映されていたから、という逸話も某雑誌で読んだのだが、真相はいかほど)

そんなこんなで半ば強引にメンバーを移住させ制作したのがこの一枚である。

僕はブライアンとヴァン・ダイクの共作である本アルバム1曲目の「Sail On, Sailor 」を先日の来日公演で初めて聴いて以来お気に入りです。この曲が「Smiley Smile」以降のビーチボーイズを探求するきっかけになりました。

本作の最も特異な点、ボーナスとして加えられたEP、ブライアンによるおとぎ話『ヴァーノン山と小道』が付属するところ…ということなのですが、僕の個体にはリイシューのためか、はたまたその内容のクソさに前の持ち主が叩き割ってしまったためか付属していませんでした。

さて肝心の売り上げは全米37位とまずまずでありました。しかし渡蘭に莫大な経費をつぎ込み、また男性スタッフとの性的関係が発露したライリーはこのアルバムを最後に解雇される事となります。

しかし何はともあれ、70sビーチボーイズのアダルトな(AOR的とでも言うのか)雰囲気が楽しめる良質な1枚でありました。

岡田



2012年6月4日月曜日

笑顔の女の子の話

 録音をするだかなんだ言っておりましたが、4月から各々新しい生活が始まり、まったくもって進んでいません。ライブをお休みしている間にメンバーが1人抜け、2人加わりました。夏の始まりとともに素敵なライブが出来るよう、アレンジを固めたり、新しい楽器に手を出してみたりしているところです。


さて話は変わりますが、先日、母校である宇宙高校ビッグバンドの定期演奏会を観に行ってきました。ビッグバンドと言えど、僕の代では管楽器がフルで5、6人しかおらずビッグバンドと呼べるようなもんではなかったですが。よくも悪くも宇宙高スピリットが受け継がれており安心しました。ドラムのカウントなんて特に

しかし一つ残念だったのが、大昔のOBが作曲し何十年と受け継がれてきた「The Girl With Smile」という曲が演奏されなかったことです。これは只でさえ高速スィングの難しい曲なのに、テーマのサックスのフレーズは作曲者の悪意さえ感じてしまうほど。そして実際にこのサックスのフレーズは作者の悪意により生まれたもののようです。

こんな逸話がありました。この曲を作曲したのは当時トロンボーンを受け持つ学生でした。そして彼には部内に好きな女の子がいました。しかしその女の子はある日、サックスパートの男子部員と恋に落ちる事になります。悲しみに暮れる作曲者はこのやり場の無い思いを、音楽を作るエネルギーに変換しある名曲を泣きながら書き上げます。そしてその曲のサックスアレンジはとびっきり難しいものにしておきました。この話、どこまでが本当か分かりませんが、これが後の部員たちを苦しめる事になる「The Girl With Smile」という曲です。現役時代はサックスパートはもとより、他のパートも難易度が高いため、部員からは毛嫌いされてきた楽曲ですが、今改めて軽音部の思い出を想い返すとなると、真っ先にこの曲が思い浮かぶのは僕だけではないと思います。なので少し寂しい気がしました。


帰りの電車の中で、高校時代に毎日のように聴いていたDoony Hathawayの「Live」と、King Curtisの「Live At Fillmore West」を聴きながら夢中でCornell Dupreeのフレーズやサウンドをコピーしたのを思いました。クリーントーンの良さを高校生伝えるのはあまりに難しい
まあ何はともあれ、僕たちの現役時代とは比べ物にならないくらい人数も増え、演奏もみんな上手で本当に楽しませてもらえました。そして近いうちmori wa ikiteiruで「The Girl With Smile」演奏したいなと思っております。手を加えて抜いて...

岡田

2012年5月18日金曜日

日々の泡沫

mori wa ikiteiruのブログが出来ました。
ここで僕たちは、日々の事を、自分たちが好きな音楽の紹介を、楽器の事を、身の回りのいろんな物事をこっそり文章にしていこうと思います。

ではとりあえず近況報告。
これから「mori wa ikiteiru」は

takuro okada (guitar,pedal steel,mandolin,analog synth,chorus,photograph)
satoshi takekawa (vocal,chorus,guitar,percussion)
naohiro takeda (piano,organ,accordion,chorus)
jun jun (a.sax,flute,trumpet,chorus)
ryo kobayashi (bass,chorus)
kazuhiko masumura (drums,percussion)

の6人編成で8月頃のライブ再開を目標に活動していきます。
また現在、割り勘で高いマイクを一本買い、ちょっとした音源集の制作も行っております。8月のライブ会場で販売する予定です。

それでは今後ともmori wa ikiteiruをよろしくお願いします。

メンバー一同